「日産でやってみよう車中泊!」で、「避難のための車中泊」を講演

避難のための車中泊

新たな車中泊の需要に、対応するための試み

2019年3月2日~3日に、横浜市にある日産自動車本社ビル1Fの「グローバルギャラリー」にて開催された、「日産でやってみよう車中泊!」のオピニオンとしてオファーを受け、電気自動車「LEAF」リーフを使った「避難のための車中泊」を、参加希望者に実体験していただくワークショップの講師をつとめた。

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イベントは想像以上に好評で、プレスの好意的な報道とともに、参加者からも直接お礼のメールをいただいたり、SNSにも嬉しい投稿が寄せられていた。

また主催者の日産自動車からも、車中泊をテーマにするイベントの継続を検討したいという旨の話もいただけた。

もちろんそれはそれでありがたく、嬉しいことだが、筆者には「別の意味」での喜びがここには隠されている。

それは「車中泊の地位向上」のきっかけが掴めたことだ。

「車中泊」がブームになって以降、一部のマナーを知らない人たちのせいで、「車中泊」という行為そのものが、悪意を持った目で見られる機会が増え、きちんとマナーを守っていても、どこか後ろめたいような想いをさせられてきたのは、筆者だけではないと思う。

だが車中泊で旅をする我々には、そうではないという声を社会に伝える有効な手段はなかった。

とてつもなく大きな世論の前では、「カーネル」や「オートキャンパー」のような雑誌は悲しいほど無力で、「RVパーク」も「富裕層のための施設」の域を出るものでないように思え、いつまでたっても閉塞状態から逸脱できない「もどかしさ」に、苛立ちを覚えることもあった。

筆者に「避難」というコンテンツが振り向けられたのは、まさにそんな時だ。

よくよく考えてみれば、これまで筆者がやってきたのは「積極的な車中泊」だ。

簡単に云えば、現状許される環境の中で、より快適に車中泊をするための知恵と知識を学び、またそれができるクルマやグッズを探して手に入れてきた。

しかし「避難のための車中泊」は、それとは真逆の「消極的な車中泊」で、クルマのユーザーは「できれば車中泊はしなくて済むほうがいい」と思っている。

当然、保有しているクルマはその時代のベストセラー、今ならサポカー機能を持つ低燃費小型車になる。

だが熊本地震では、実際に7割の人が車中泊での避難を検討し、避難者の実に4割に相当する数の人が、それを実行に移した。

出典:フジテレビ

そうなると「車中泊の避難」は、もはや社会現象ではなく「被災者のニーズ」ともいえ、それを国民全体に当てはめるなら、東京以外の地方では、災害時の主たる避難方法が「車中泊」に変わる可能性もあると思えるほどの数になる。

そう考えると、積極的な車中泊をしている人が使わないようなクルマによる「車中泊ノウハウ」の重要性が見えてきた。

しかも「避難」の場合は「車中泊」に加えて、小さなキャンプ=リアル・オートキャンプがリンクしなければ、現実には生き延びることができない…

ということは、筆者がこれまで提唱し続けてきた「大人の車中泊」ことオートパッカーそのものが一番相応しいことになる。

しかし、これまでオートパッカーの話をしても、「キャンプ場以外で煮炊きをするなど言語道断」という意見が強く、そこから前に進むことはなかった。

だが「避難」が前提になると、それが「誰も否定できない現実」となり、堂々とプレスの前でプレゼンできるのだから、世の中は面白い。

しかも、日産には既に電気自動車の動力源であるバッテリーから電力を車外に引き出し、フィールドで家電を動かすことができるシステムがある。その容量は破格で、キャンピングカーのサブバッテリーなど足元にも及ばない。

これを使えば、懸案の「火気」を使わず調理ができ、一気に障害のバーは引き下げられる。

とはいえ、実際はコストやエンジンと車種の相性などの問題で、即時対応OKとまではいかない。例えば、ガソリンで発電して電池で走る「eパワーエンジン」を搭載するセレナからは、その電力を車外に引き出すことはできないし、逆にリーフは電気でしか走れない。

もちろん日産側に「いつそのネジレが解消できるのか」という確約を、現段階で求めるのは時期尚早すぎて不可能だ。

しかし目指す方向の霧が晴れてきたことは事実だろう。

NISSANという巨大企業が媒介になれば、そのために必要な通信、食材などを司る企業との連動、そして何より国や行政が前向きになる可能性もセロではあるまい。

つまり動かすことなど不可能と思えた「岩」が、動くかもしれないという可能性がでてきたわけだ。

あと必要なのは、「世論」の後押しだ。

それには、今「積極的な車中泊を楽しんでいるオピニオンたち」の力が不可欠になる。

新たな切り口ともいえる「避難の車中泊」の必要性と、その正しいノウハウの認知を通して、「車中泊の地位向上」に賛同いただけるなら、ぜひこの動きに注目してもらいたい。SNSによるシェアー・拡散も歓迎だ。

「今一度、ニッポンの車中泊を洗濯いたしたく候」。それが今年還暦を迎える筆者の偽らざる想いであり、悲願でもある。

具体的なことは、また話が進み次第、このホームページから広報していきたいと思っている。何歩前に進むのか、やってみなはれ~!だ。

 

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