「避難のための車中泊」~災害時のベスト車中泊を考察する~

これまで筆者が想定してきた「車中泊」は、「趣味やレジャーを楽しむための宿泊手段」だ。

そのため「車中泊がしたい人」に向けて、快適に寝られるクルマ選び、DIYを含めたベッドメイキングや収納のアイデア、さらには車中泊にマッチする旅先の紹介といった情報を主に発信してきたもちろん、それはライフワークとして今後もずっと続けていきたいと思っている。

しかし…

地震や土砂災害で、自宅で寝ることができなくなった…

旅先や出先で道路が不通になり、自宅に帰れなくなった…

近年は自らの意志とは別に、「車中泊」を必要とするケースが増えてきた。

巨大地震、巨大台風、さらにはゲリラ豪雨による土砂崩れ等々、「災害時の緊急宿泊手段」としての車中泊が、今にわかに注目を集めている。

熊本地震の興味深いデータがあるので、紹介しよう。

熊本市は市内在住の満 18 歳~79 歳までの男女 5000 人を対象に、地震発生直後の行動などについてアンケート調査を実施している。それによると、

クルマを使って避難した人は全体の61.3%、指定避難所またはそれ以外の場所に駐車して、車中で避難生活した人は全体の39.2%を占めているという。

出展:熊本市ホームページ(平成28年度市政アンケート調査結果報告書)

ここまで来ると「避難のための車中泊」は、もはや社会現象ではなく市民のニーズと考えるほうがいいのかもしれない。

大阪在住の筆者は、1995年の「阪神淡路大震災」と、昨年6月に起きた「大阪北部地震」、さらに9月4日に大阪を直撃した台風21号による暴風の、3つの大きな災害に見舞われてきた。

とはいえ、さすがに避難所生活の経験はない。

ただ台風21号では、停電で丸3日間「車上生活」を強いられた。電気が止まれば高層住宅は給水もできず、お風呂を沸かすこともできない。つまり事実上、日常生活は不可能になる。

幸い被災したのが秋だったため、同じ団地で暮らす大半の人は自宅で夜を過ごしていたが、これが真夏なら、エアコンを求めて多くの人が車中泊をしたに違いない。

さて。ご承知の通り、災害時に避難する方法は2つある。

ひとつは「徒歩」で、それを想定した情報は既にたくさんあるし、そもそも筆者は防災のプロではないので、そちらは「守備範囲」外の話である。

しかし「車中泊を前提にしたクルマによる避難」となると、ネットを見渡した限り、それなりのキャリアを持つ人が論理的に解説しているサイトは見当たらない。

そもそも、「避難の車中泊」は「遊びの車中泊」とは似て非なるものだ。

なぜなら、「遊びの車中泊」は自ら進んでやろうとする「積極的な車中泊」だが、「避難の車中泊」は、できることならやりたくない「消極的な車中泊」である。

車中泊の原点は、「○○のための宿泊手段」

原点に立ち帰ると、車中泊とはそういうことだ。コンテンツに「スキー」があるように、「避難」があってもおかしくはない。

それがこれまでクローズアップされてこなかった理由は、そういう「ニーズ」が顕在化しなかったからにほかならないが、熊本地震以降耳にする「避難の車中泊」の話は、その「ニーズとウォンツ」が混沌としていて、なかなか核心が掴めない。

今何よりも必要なのは「避難のための車中泊」の定義だろう。関係部署に共通認識を生み、噛み合った支援体制を確立するためのグランドデザインを描くには、それがなければ始まらない。

ゆえに筆者は、まず「避難のための車中泊」の実像に迫ろうと思う。

「避難のための車中泊」の理想型

「避難のための車中泊」を取り巻く現実

やってみよう!「避難のための車中泊」

「避難のための車中泊」 事前準備<防災編>

「避難のための車中泊」 自主避難 <実践編>

「避難のための車中泊」 長期化する時は…

「避難のための車中泊」時に使える防災グッズ集

PS

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