道の駅って、本当に車中泊をしてもいいの?

誰だって初めて新しいことを始める時には、「お墨付き」がほしいものだ。

このタイトルを見て「いまさら何を!」と感じた貴方だって、その初々しい気持ちが分からないわけではないと思う(笑)。

実は筆者も、正面切って道の駅の駅長さんにそう聞いたことはない。ただ、もし雑誌の取材であることを伝えれば、とたんに表情は固くなり、「推奨はしない」という「模範的解答」が返ってくることだけは容易に想像できる。

面白い話だが、既に何度も道の駅で車中泊を経験している人に聞いても、きちんとこの質問に答えられる人は少ないと思う。

その理由は「車中泊」に定義があるようでないからだ。人によって解釈が違うのだから、当然答えが一本化されるはずがない。

というわけで、ここでは筆者の「持論」を紹介しよう。この話は出版社の理解を得て、雑誌にも書籍にも掲載しているので、そこらのおっちゃんの講釈よりは信憑性があると自負している(笑)。自主的に控えるのは大いに結構だが、ネット上でそれを他人に強要するような発言や記載は控えるほうがいいと思う。

まず車中泊の定義だが、筆者は 「外食か車内で調理済み食品を食べて、クルマの中で眠るまで」の行為と考えている。しかもそれは、道の駅を筆頭にサービスエリアやパーキングエリア、そしてトイレがあって24時間利用できる有料・無料駐車場、さらにはオートキャンプ場、RV パークに至る、すべての場所での話だ。

なぜならそれは、車中泊がブームになる遥か以前から、長距離トラックの運転手達が続けてきた行為であり、既に市民権を得ているからだ。言い換えると、もし「車中泊禁止」にするなら、トラックにもそれを該当させなければ筋が通らない。

いっぽう、車外での調理や団欒は「キャンプ」の一環で、車中泊とは一線を画する行為になる。つまりオートキャンプ場では、それが車中泊とともに許されていると考えるほうが、ずっと分かりやすいし、こう定義すれば「キャンプ行為は禁止だが、車中泊はできる」という説明が成り立つ。

ただしそれには、「移動の途中で一夜を明かす程度」という暗黙の条件がつくことを忘れてはいけない。

「道の駅」は、「道路利用者の休憩」「情報発信」「地域の連携」を目的に、国土交通省が認定している公共の道路交通施設である。

したがって、高速道路のサービスエリアと同じく、移動の途中で日が暮れたり、睡魔や疲労感に襲われた際に車内で眠る、また空腹時は、お弁当やパンなどの調理済みの食品を車内で食べるといった、「道路利用者の休憩」とみなされる範疇であれば、いちいち施設の許可を得なくても問題はない。

とはいえ、一般的に想定されているのは、食事・土産物の購入・観光情報の収集・トイレの利用程度なので、パジャマ姿で敷地内をうろうろするような、いかにも「車中泊をしています」という振る舞いは、周囲に違和感を与え、要らぬ誤解の要因にもなりかねない。

いっぽう、この写真のように駐車場にテーブルとイスを広げて調理や団欒をする「キャンプ行為」は、敷地内の公認された場所か、施設側の許可を得ない限り、勝手にはできないのだが、すべての道の駅で全面的に禁止されているというわけではない。

中には敷地内に自由に使用できる炊事場や、無料のバーベキュー施設を併設している道の駅があるほか、駐車場でもクルマのハッチの下で、慎ましく食事をする程度であれば、申し出によって許可してくれる施設も実在する。

立地や認定に至るまでの経緯がさまざまに異なる道の駅は、高速道路の施設とは違って、施設内での禁止行為が駅長の判断に委ねられている。

つまり、車外にテーブルや椅子を出していることが、一概にすべてマナー違反・規則違反であるとは限らない。疑問に思う時は、「禁止」と決めつけた行動をする前に、まず施設のスタッフに確認したほうがいい。

さて… 日本には昔から「玉虫色」と呼ばれる決済がある。

何でもかんでも「白黒」をつけるよりは、曖昧なグレイゾーンがあることで、うまく治まることも多々ある話だ。こういうデリケートな問題はスパっとではなく、ジワジワでいい。

ちなみに信号の黄色は「停まれ」ではなく、「注意して進め」。この問題もそういうことだろう(笑)。

PS

より具体的で詳しい車中泊のマナーについては、以下のページに記載している。

これが本当の「車中泊マナー10ヶ条」

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